ものづくりの流れを知ろう

まず、ものをつくりだすための一連の流れを知り、ものづくりの基礎知識の骨子を組み立てていきましょう。以下の工程がものづくりにおける一連の流れです。

  1. 製品・商品の構想・企画
  2. 概念設計
  3. 基本設計
  4. 詳細設計
  5. 製造・開発
  6. 販売
  7. 営業・販売促進
  8. 保守・保証

まずは、「こんなものをつくりたい」という構想、つまりアイディアがあり、それを企画にまとめていきます。この段階で、マーケットリサーチなどを行い、消費者ニーズや今後の市場性、ターゲット層や価格設定などを決定し、製造に値する価値のあるものかどうかを判断します。

次に、設計です。一般的に設計と言っても、2.~4.のように設計にも段階があります。機能や仕様を設計する「概念設計」、そのものの構造や形状を設計する「基本設計」、そして、そのものを何で作っていくかなどの材質も含め、細部の寸法などを細かに設計していく「詳細設計」があります。家電などの製品は大量生産する前に、試作品をつくります。製造し、問題があれば、2.~4.に戻り、再び製造をしていきます。成功するまでそれを繰り返します。問題がなくなれば、大量生産をしていき、販売していきます。その後、販促などを行い、消費者に製品を届けていきます。

ものをつくり、売るだけで終わりではありません。むしろ、製品は使ってもらって、やっと価値が生まれるのです。もちろん、製品にもよりますが、保守などのアフターサービスや保証をつけるなど、利用者の手に届いた後のことも考えて、ものづくりは行われているのです。

2D CADと3D CADの比較

現在、製造業における設計では、自動車も家電も3D CADを使用して設計されています。3D CADはx、y、zの3次元のデータを作成するCADソフトで、3D CADで作成されたものが3Dデータになります。CADソフトには2D CADもあり、x、yの2次元のデータを作成することができ、図面となります。製造の現場では、2D CADで作成した図面が使用されるケースが多いです。

3D CADの設計では、x、y、zすべての方向から形状を知ることができるので、設計者は細部まで完成度を高めてつくる必要があり、2D CADに比べ手間と時間がかかります。しかし、イメージが明確になっているため、齟齬が生じづらいことや製造に関わる人だけではなく、デザイナーや営業、マーケティングの担当者など、様々な部署間でイメージを共有することができ、コミュニケーションをとることが可能となります。

また、最も魅力的なのは3D CADで作成された3Dデータさえあれば、様々な製造方法に応用できることです。

製造方法について知ろう

ここで一般的な製造方法を簡単に学んでいきましょう。

切削加工

読んで字のごとく、対象物を切ったり、削ったりすることで加工をしていく製造方法です。彫刻刀で一本の木から像をつくっていくイメージです。精緻な機械部品などはこの製造方法を採用しています。大量生産には不向きで、少量生産に適しています。

板金加工

金属の板などに大きな力を加えて変形させることで、目的の形状に加工していく製造方法です。その他にも、切断加工や曲げ加工などがあります。筐体などは、板金加工でつくられることがあります。

圧縮(プレス)成形

目的とする形状の金型に対象物を大きな力で押し付けて加工する製造方法です。自動車のボディはこの方法で製造されています。

射出成形

金型に樹脂を流し込み目的とする形状をつくりだす製造方法になります。フィギュアや雑貨、プラモデルなど、様々な樹脂製品がこの製造方法でつくられています。

3Dプリンター

3Dプリンターは樹脂だけでなく、金属やチタンなど、様々な素材を薄い層で積み上げていき製造していきます。樹脂などの素材を積み上げるための方式は何種類かありますが、どの方式においても原理は層を積み重ねていき造形していくことで変わりはありません。家庭用3Dプリンターなどと呼ばれる低価格の3Dプリンタで使用する素材は樹脂が主流です。樹脂は強度があるので、機械部品の試作に適していますが、この樹脂(例:ABS樹脂)を使用する家庭用3Dプリンタは積層が粗く、積層の段がはっきり見えてしまうので、細かい造形や滑らかな表面加工は不向きです。

3D CADで作成された3Dデータであれば、上記の切削加工や射出成形、3Dプリンタなどの製造方法で出力することが可能ですので、3D CADでの設計を学んでいきましょう。